広南病院、当院脳神経外科等で共同発表した論文がFront Neurolに掲載されました。

Prophylactic management of cerebral vasospasm with clazosentan in real clinical practice: a single-center retrospective cohort study. Front Neurol 15:1413632, 2024.

最近、日本の第三相治験においてクラゾセンタンが偽薬と比較してくも膜下出血(SAH)後の脳血管攣縮を抑制し、転帰を改善することが示されましたが、塩化ファスジル静注等を中心とした従来の標準的な治療法と比較したリアルワールドデータは未だ不足しています。本研究では、SAH後にクラゾセンタンを中心とした術後管理プロトコルで治療した群(81例)と、従来のプロトコルで治療した群(100例)を比較し、クラゾセンタンの有効性と安全性を検証しました。その結果、クラゾセンタンを中心とした術後管理では、従来の術後管理と比較して脳血管攣縮に関連した症候性脳梗塞を減少させ、臨床転帰も改善することが示されました。クラゾセンタンがリアルワールドにおいても、SAH後の脳血管攣縮に対する有望な治療選択肢となり転帰改善にまでつながる可能性が示唆されました。
なお、本論文は動脈瘤性SAHの連続症例から収集したデータを用いた、単一施設(広南病院)の後方視的観察コホート研究です。

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